耐熱性と耐摩耗性に優れたベスペル®は、さまざまな産業分野で活用されています。材質として硬いものの、加工性が良いため複雑な形状であっても高精度な切削加工が可能です。またベスペルには様々なグレードがあり、製品仕様に応じて素材の選択が可能です。
機能面で優れたベスペルですが、その一方で材料の購入費用が非常に高額であります。
日成工業は、ベスペルの機械加工において、刃物や治具の選定など豊富な加工経験とノウハウを持っています。質の高いオーダーメイドの切削加工品をご提供します。

※ベルペル®はデュポン社の登録商標です。

ベスペルは、優れた耐熱性に加え、高PVでの低摩耗・低摩擦特性を持ち、さらに耐クリープ性、耐衝撃性を備えた高機能なプラスチックです。また耐プラズマ、耐放射線といった特性を持ち、過酷な環境下での連続使用が可能です。これらの高機能な特性から、ベスペルは標準的な金属やセラミック素材、PEEKなど他のスーパーエンプラと比べて、性能が上回ります。
主なベスペルの特徴（ベスペル®Sライン）は以下の通りです。

ベスペルには、特性の異なるグレード(種類)があります。機能性をさらに強化したラインナップになります。特性と用途について、代表的なグレードを紹介します。

ベスペル®SP-1は、ポリイミド樹脂100%で構成され、耐熱性と絶縁性、高い機械的強度を持つベスペル素材です。

用途：断熱・絶縁部品やバルブ、半導体などの真空環境の部品として活用されています。

ベスペル®SP-21は、重比重15％のグラファイト（黒鉛）を混成したベスペル素材です。耐摩耗性と耐摩擦性を強化したグレードで、広範囲の摩擦摩耗条件下で使用可能です。

用途：ベアリングやスワストワッシャー、シーリング、軸受など摺動部品で使用されています。

ベスペル®SP-22は、重量比40％のグラファイト（黒鉛）を混成したベスペル素材です。SP-21と同様に、耐摩耗性と耐摩擦性を強化したグレードです。寸法が安定するため誤差が少なく、精密加工に向いています。また低熱膨張で耐クリープ性に優れています。

用途：ラジアル軸受やプラテン、ベーンなどで使用されています。

ベスペル®SCP-5000は、ハイグレードのポリイミド樹脂で、特に高温での強度と剛性に優れ重量損失が抑えらます。また耐薬品性や耐プラズマ性も向上し、吸水による寸法変化が抑えられているのも特徴です。

用途：半導体や液晶など、寸法の変化がなく耐久性や耐プラズマ性が求められる部品で採用されています。

ベスペルは、高い耐熱性と耐摩耗性など様々な機能性を持ったプラスチック材料であるため、一見すると難削材のように見えます。しかし、実は切削加工に向いている樹脂です。グレードによってやや切削加工性の違いがあるものの、おおむね良好と言えます。機械加工時の熱による膨張とその後の収縮が少ないため寸法精度が安定し、高精度な精密加工に適した素材です。その一方で、材料費用が高額であるため、加工ミスによって品質不良が生じた場合に、コスト負担が増えるリスクはあります。
日成工業は、ベスペルの豊富な加工実績があり、ベスペル®SP-1をはじめとした様々なグレードを扱っております。刃物と治具の選定に関するノウハウや、加工データの蓄積があります。複雑な形状であっても高精度な加工が可能であり、高品質なベスペル製品をご提供いたします。

高い耐熱性と耐摩耗性に加え、様々な機能性を持つベスペル。優れた機能性を持ちながらも、切削加工性も良好であるため、幅広い分野で使用されいます。ベスペルは樹脂特有の軽量に加えて、標準的な金属やセラミックス、PEEKなどのスーパーエンプラよりも優れた機能性を持つプラスチック材料です。またベスペルには、機能特性を強化した様々なグレードのラインナップがあり、製品仕様に応じて選択が可能です。材料費用が高いことがデメリットと言えます。

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